大河『べらぼう』鬼すぎた誰袖w 春町が史実で予想した江戸を紹介、ほか…5月18日放送の振り返り&解説:2ページ目
徳川家治「血筋は譲るが、知恵は譲らぬ」苦渋の決断に田沼が涙
知保の方(高梨臨)による服毒自殺は狂言だったようですが、それでも徳川家治(眞島秀和)に血筋を放棄させるには十分な打撃でした。

このまま自身の血筋にこだわり続ければ、これまで知恵袋として自分の治世を支えてくれた田沼意次(渡辺謙)を守りきれない。そう判断して、苦渋の決断を下したのです。
加えて父である第九代•徳川家重から受け継いだ血筋は身体が弱く、将軍職の重責に耐え切れないという判断もあったことでしょう。
第八代•徳川吉宗の配慮(※)が裏目に出てしまった遺恨を断ち切る決断に、意次は涙したのでした。
(※)能力や資質に関係なく、長子が将軍職を継承すると決めることで、無用の後継者争いを防げるとする考えです。
かくして家治は一橋治済(生田斗真)の子である豊千代(後の第十一代将軍•徳川家斉)を養子に迎えるのでした。しかしそのことが、やがて田沼政権に陰を落とすことになります。そうなることは分かっていても、避けられないものでした。
今回はごく短いシーンでしたが、実に密度の濃い主従の絆が描かれており、視聴者も胸打たれたのではないでしょうか。