復讐が許された武士道の精華「仇討ち」!実は細かな作法やルールがしっかり決められていた

阿部裕子

武士道の精華として称賛されてきた 仇討ち」(または 敵討)ですが、実はルールがたくさんあったとか。仇討ちはルールに則って遂行しないといけないのです。

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仇討ちのルール

では、仇討ちには具体的にどんなルールがあったのかというと……

藩が仇討ちを許可したら、幕府にその旨を届けて、町奉公所の敵討帳と言上帳(ごんじょうちょう)に帳付けしてもらうことで、町奉公所から敵討ち許可書である書替(かきかえ)を貰えるというわけ。これで、ようやく仇討ちができるのです。

きちんと手続きしたら恩恵あります

伊賀上野仇討ち圖

仇討ちをするからにはルールに従うしかありません。開始するまでに意外と手間ひまがかかりますが、きちんと手続きを行うことでいいこともあったのです。

敵を探す旅先の諸大名の城下町で敵を見つけたら、いきなり仇討ちを開始するのは得策ではありません。まずは藩役所に訴え出ると、敵の身柄を拘束してくれるだけでなく、仇討ちの場所を設営してもらえるなどのメリットがあったとか。

長ーい時間がかかる壮大なミッション

この仇討ちを全うするために、10年から20年かかることは普通で、中には53年かかってようやく仇討ちできた人もいたようです。53年間、仇討ちをすることが常に頭にあるなんて、しんどいという言葉では表せないほどの壮絶な人生ですよね、きっと。

それでも仇討ちできたらいい方なのかもしれません。仇討ちできないまま、命が尽きた人も少なくなかったようです。

2ページ目 時代は変わって仇討ちは禁止に

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