「刀伊の入寇」で20倍以上の敵に突撃し玉砕した国司・藤原理忠と、住職・常覚の武勇伝【光る君へ】:2ページ目
刀伊の軍勢を3度も撃退!壱岐嶋分寺の死闘
官軍を殲滅した刀伊の軍勢は、続いて壱岐嶋分寺(国分寺)を襲撃します。
ここには多くの島民が避難しており、寺の住職であった常覚(じょうがく)は徹底抗戦を訴えました。
「降伏しても殺されるか、奴隷にされるかしかない。それならみんなで力を合わせ、最期まで戦おう!」
島民たちはこれに応え、壱岐嶋分寺に立て篭もって刀伊の軍勢を迎え撃ちます。
古来「窮鼠猫を噛む」とはよく言ったもので、何と島民たちは刀伊の軍勢を3度まで撃退したのでした。
しかし敵は大軍であり、なおも執拗な攻撃に耐えかねてしまいます。
「和尚様だけでも、お逃げ下さい!」
「生きて我らの菩提を弔い、必ず仇をとって下さい!」
そこで常覚は一人壱岐を脱出し、大宰府へ駆け込んで現地の惨状を訴えたのでした。
間もなく壱岐嶋分寺は陥落し、島民らはことごとく討ち滅ぼされたということです。