噴火から10年。木曽・御嶽山(長野・岐阜県境)に登ったら“ある物”が消滅していた!:3ページ目
いよいよ噴火した地獄谷の近くへ
王滝からいよいよ噴火した地獄谷の近くを通り、剣ヶ峰に向かいます。
手前に「八丁ダルミ」と呼ばれる緩やかな勾配の荒涼とした場所があり、草木が生えず土がむき出しで、まるで火星のようでした。
山岳信仰の名残でたくさん銅像や石像が奉納されているのですが、火山灰や硫化水素の影響なのか、変色していました。
登山道に沿って数カ所にシェルターが設置されており、暑いときは熱中症対策で日除けにもなりそうです。山頂直下の慰霊碑には、たくさんの方が手を合わせていました。
御嶽山の頭頂部は、いわゆる“池”と呼ばれる噴火口がたくさんあり、周回してすべて歩くと3時間近くかかります。
驚いたことに、火口湖の一つ「二ノ池」がなんと消滅していました!
原因は、2014年の御嶽山噴火で降り注いだ火山灰が堆積したことです。雨が降れば一時的にくぼみに水がたまるようですが、他の登山者の記録をみても池のように復元した様子はありません。
「三ノ池」と「五ノ池」には水がありますが、二ノ池は国内最高所の池とされ、古くから御嶽信仰の聖地とされてきました。
その千年ほどの歴史を、たった10年で消し去ってしまう。噴火の恐ろしさを感じました。
石に付着した硫化水素でしょうか。少し匂いました