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藤原実資もうんざり…どうしても公務をサボりたい下級官人の言い訳に実資は……?【光る君へ 外伝】

藤原実資もうんざり…どうしても公務をサボりたい下級官人の言い訳に実資は……?【光る君へ 外伝】:2ページ目

それで結局どうなった?

「バカもん、それでおめおめ帰ってくるヤツがあるか!」

カンカンに怒る実資ですが、人がよいものだから妥協案を提示してやるのでした。

「ならばこうしよう。使部で不足だともうすならば、大外記の清原頼隆(きよはらの よりたか)を使者に遣わすゆえ、その場で直接確認してくるのだ。たといやって来たとしても、私がそんなものを見る訳にはゆかぬ。また見たくもない!」

大外記(だいげき)とは太政大臣に仕える書記官。まったく頼隆にしてみれば実に迷惑な話しですね。

「何ゆえそれがしが他人の傷口など見に行かねばならんのだ……ブツブツ」

しかし頼隆が相奉を訪問した記録は残っておらず、この件については有耶無耶になってしまったのでした。

終わりに

とまぁ今回は、お灸による火傷を理由に公務をサボろうと一悶着起こした源相奉のエピソードを紹介しました。

ここまでもめるくらいなら、大人しく奉仕した方がまだ楽な気もしますが……よほど嫌な理由でもあったのでしょうか。

雅びに華やぐ平安時代の王朝文化を支えた下級官人たち。彼らはテレビ画面などにはあまり出てこない存在ながら、こうした悲喜こもごもを演じていると思うと、NHK大河ドラマ「光る君へ」もより一層味わえるかも知れませんね。

※参考文献:

 

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