紫式部も見惚れるほど魅力的!藤原彰子に仕えた「宰相の君(北野三位)」はどんな女性だった?【光る君へ】:2ページ目
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『紫式部日記』に伝わる宰相の君
そんな宰相の君はどのような女性だったのでしょうか。
紫式部の書いた『紫式部日記』に、彼女に関する記録が残されています。
……宰相の君は、北野の三位のよ、ふくらかに、いとやうだいこまめかしう、かどかどしき容貌したる人の、うちゐたるよりも、見もてゆくにこよなくうちまさり、らうらうじくて、口つきに恥づかしげさも、匂ひやかなることも添ひたり。もてなしなどいと美々しくはなやかにぞ見えたまへる。心ざまもいとめやすく、心うつくしきものから、またいと恥づかしきところ添ひたり。……
【意訳】宰相の君…北野三位と呼ばれる方(ほう)の彼女について紹介します。
彼女はふくよかで容姿が細やかに整い、顔から賢さがにじみ出ているようです。
始めてお会いした時に比べ、つき合いを重ねてゆくほど魅力を感じるようになりました。
その口元は洗練された気品や艶やかさが感じられます。
彼女の立ち居振る舞いは実に瀟洒で華があり、性格もたいそう美しくいらっしゃいました。
まったく彼女を前にすると、こちらが気後れしてしまいそうです。
……『紫式部日記』の女房評は辛口が多めな印象ですが、そんな中で北野三位に対する評価は非常に甘口。
それだけ魅力的な女性だったと言えるでしょう。
終わりに
今回は北野三位の方の宰相の君について紹介しました。
藤原豊子の宰相の君と紛らわしいのでNHK大河ドラマ「光る君へ」には登場しないと思いますが、内裏のどこかで活動しているのでしょう。
もし登場するならキャスティングが誰になるのか、予想してみるのも楽しいですね!
※参考文献:
- 山本淳子 訳『現代語訳付き 紫式部日記』角川ソフィア文庫、2010年8月
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