ビジネスシーンでも同じ!?武士道の教本『葉隠』が説く、戦国時代の奉公人の4タイプ:2ページ目
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【意訳】鍋島勝茂公がかねがね仰っていたそうだ。その内容は以下の通り。
「家臣には四通りの者がおる。一、急だらり。二、だらり急。三、急々。四、だらりだらり。以下説明しよう。
まず急々(きゅうきゅう)とは仕事の指示をした時にこちらの意図をしっかりくみとり、手際よく仕事を進めてくれる者を言う。なかなかいるものではないが、福地吉左衛門(ふくち きちざゑもん)などはこの急々に似ていると思う。
次にだらり急とは、仕事の指示をした時はあまりよく解っていないようだが、いざ仕事になるときっちりこなしてくれる者を言う。例えば中野数馬(なかの かずま)などがこれに該当するだろう。
逆に急だらりとは、仕事の指示は解ったような顔で引き受けるものの、いざ仕事が始まると手間取る者だ。こういう手合いは結構多い。
それ以外はすべて「だらりだらり」である。もはや説明は必要あるまい」
……との事です。
終わりに
今回は『葉隠』より、奉公人の4タイプを紹介してきました。
これを現代のビジネスシーンに置きかえると、こんな感じでしょうか。
- 急々:できるタイプ
- だらり急:やる時はやるタイプ
- 急だらり:見かけ倒し?タイプ
- だらりだらり:残念なタイプ
職場や取引先で誰かと接する時「この人は急々だな」「意外と急だらりだな」など、内心でタイプ分けしてみると面白いかも知れません。
一方で自分自身も「急だらり」「だらりだらり」と言われないよう、日々精進したいものです。
※参考文献:
- 古川哲史ら校訂『葉隠 上』岩波文庫、2011年1月
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