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京都のど真ん中になぜ「丑の刻参り」ゆかりの神社が!?悪縁が切れる、そのわけとは…

京都のど真ん中になぜ「丑の刻参り」ゆかりの神社が!?悪縁が切れる、そのわけとは…:2ページ目

京都の命婦稲荷社にある「鉄輪の井戸」

実際に五寸釘を打ち付けた杉のある清水寺の「地主神社」とはまた違う逸話のある神社があります。

それは京都の町のど真ん中に鎮座する「命婦稲荷社(みょうぶいなり)」。

寛文8(1668)に伏見稲荷より勧請、命婦稲荷社の主祭神は「命婦稲荷大明神」で、鍛冶屋町の守護神であり、家庭円満、商売繁昌を加護してくれるご利益があります。

ここには平安時代から「鉄輪塚」と呼ばれる塚と「鉄輪の井戸」があったとされています。

或る女性が自分を捨てた亭主を呪い殺そうと貴船神社へ丑の刻詣りをしていたものの、志半ばでこの辺りで亡くなってしまったため、その女性の亡骸を葬った塚と言われています。また、丑の刻参りの途中で命が尽きそうになり自ら井戸に身投げをしたとも、安倍晴明に呪詛を邪魔されて自ら井戸に身投げしたともいわれています。

それからというもの、この井戸の水を汲んで相手に飲ませると、悪縁が切れるとの俗信が生まれました。この俗信が、謡曲「鉄輪」の基となったともいわれています。

町民にとってこの井戸は大切にされてきたもの。原型がなくなっても復元されて今に至ります。

ちなみになぜ、丑の刻参りで貴船神社を目指すのでしょうか。

それはこの地に「丑の年・丑の月・丑の日・丑の刻」に貴船大神が天下万民救済のために降臨したという伝説があるから。そのため、心願成就のために皆が「丑の刻参り」をするようになったのです。

 

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