「鎌倉殿の13人」大天狗に取り込まれ死神にそそのかされた義経…第19回「果たせぬ凱旋」振り返り

失意のうちに京都へ戻ったものの、やはり鎌倉へ帰りたい源義経(演:菅田将暉)と、鎌倉に迎えて労をねぎらいたい源頼朝(演:大泉洋)。

互いに和解を望みながら、それを望まぬ後白河法皇(演:西田敏行)と、義経を己の野心に利用したい源行家(演:杉本哲太)によって引き裂かれた兄弟の絆。

もはや後戻りはできない……仲立ちに奔走した北条義時(演:小栗旬)らの無念はいかばかりでしょうか。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第19回放送は「果たせぬ凱旋」、今回も注目人物を中心に振り返っていきましょう。

里(演:三浦透子)と静御前(演:石橋静河)

のっけから義経に「離縁してください」と迫る正室の里(郷御前)。どう見ても静御前を寵愛していながら、義経が里を手放さないのは、彼女が比企一族の娘だから。

いざという時の人質として都落ちにも連れていきますが、心はあくまでも静御前に。勝ち誇って見えた里が、少々哀れではあります。

それはそうと、義経の「後は2人で話し合ってくれ」は少し無責任過ぎるんじゃないでしょうか。

で、嫉妬した里は土佐坊昌俊(演:村上和成)に義経の襲撃を依頼。「女は殺していいけど、義経は痛めつけるだけにして」などと言っていましたが、そんな器用な事はできません。

子供の喧嘩ならともかく、当の義経は本気で抵抗してくるに決まっています。よほど優勢ならともかく、本気で殺さねば殺されるだけです(現に返り討ちに遭っています)。

どうも武というものを軽んじているようで、そんな都合よく相手を懲らしめる手段として用いていいものでもなければ、たやすく制御できるものでもありません。

里を無視して進む土佐坊たち。(てめぇの指図なんか受けねぇよ)……彼女のちょっと後悔したような表情に、若干胸がすいた視聴者も少なくないのではないでしょうか。

3ページ目 やっぱり嫌われ者の頼朝

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