新垣結衣さんが大河ドラマ初出演ということで話題を加えた「鎌倉殿の13人(令和4・2022年放送予定)」。
新垣さんのみならず多彩なキャスト陣に「新撰組!」「真田丸」などでも人気を呼んだ三谷幸喜の脚本とあって、早くも楽しみなファンは少なくないようです。
ガッキーーっ!2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第二次出演者が発表。新垣結衣は初の大河ドラマ
さて、新垣さんが演じるのは主人公・北条義時(ほうじょう よしとき。演:小栗旬)の初恋相手となる八重姫(やえひめ)。
新垣結衣さんが当てられるくらいだから美女なのは察しがつきます(※容姿について言及している史料はないようです)が、一体どんな生涯を歩んだのでしょうか。
今回はそんな八重姫のエピソードを紹介したいと思います。
頼朝公の「妻」となるも……
八重姫は伊豆国伊東荘(現:静岡県伊東市)を治める豪族・伊東祐親(いとう すけちか)の娘として誕生しました。
この祐親、平治の乱に敗れて伊豆国へ流罪とされた源頼朝(みなもとの よりとも)公の監視役でしたが、京都大番役として上洛している隙を狙った頼朝公が夜這いを決行。
果たして八重姫は頼朝公の子供を孕んでしまい、産まれた男児は千鶴丸(せんつるまる。千鶴御前)と名づけられます。
当時は男性が夜這いをかけて意中の女性を手篭めにし、そのまま夫婦となる事例は少なくなかったものの、何せ頼朝公は流罪人。
「ふざけるな!平家が天下に号令するこのご時世に源氏の(しかも平家に叛逆した)婿をとる位なら、娘を乞食にくれてやった方がまだマシだ!」
三年間の任期を果たして京都から帰った祐親は当然のごとく怒り狂い、玉のように愛くるしい千鶴丸を淵に沈めて殺害。
我が子を殺されて、悲しみ狂う八重姫の姿に胸を痛める祐親でしたが、これも御家の一族郎党を守るためです。
祐親は八重姫に再び悪い虫がつかぬよう、江間小四郎(えまの こしろう)に嫁がせます。江間小四郎とは北条義時の通称ですが、この人物は同姓同名の他人。ここに「義時の初恋相手」という着想を得たのかも知れませんね。
また一説には、我が子を喪い、伴侶と引き裂かれた八重姫は悲歎のあまり入水自殺したとも言われており、物語の序盤で美しくフェイドアウトさせるか、あるいは生き永らえさせて義時との微妙な関係を描き続けるのか、その辺りも大河ドラマの見どころとなるでしょう。