男女が集まりフリーセックス? 古代の日本に実在した風習「歌垣」とは:2ページ目
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歌垣の二面性
歌垣は農耕儀礼であるが、それは儀式の発端としての定義であり、日本で行われていたすべての歌垣に農耕儀礼の本質を見ることはできない。
中には、時代の変化と共に信仰としての神事から分離し、娯楽・求婚活動としての性格が強くなった歌垣の存在も指摘されている。神事としての歌垣と、そこから派生した娯楽行事としての歌垣は似て非なるものとして認識するべきである。
歌垣の具体的内容が記載されている文献や資料は非常に少なく、「古事記」や「日本書紀」「万葉集」に少量が確認できるが、西暦700年以降の歴史からはその存在が確認されていない。
歌垣に関しては、上記の理由からその実態が解明されておらず、時代や土地、目的によって様々な性格を有するため目的を限定することはできない。ただし、当時の男女にとって貴重な出会いの場として機能していたことは間違いないだろう。
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