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あまりの恥ずかしさで…古典「常陸国風土記」より、ピュア過ぎたカップルの恋愛エピソード

あまりの恥ずかしさで…古典「常陸国風土記」より、ピュア過ぎたカップルの恋愛エピソード:2ページ目

我に返った翌朝、二人は恥ずかしさのあまり…。

そして朝チュン。雀たちの声で目覚めた二人は、昨夜の「お楽しみ」を思い出しては、嬉しいやら恥ずかしいやら。

「いや、あの……」

「うふふ……」

しばし見つめ合う二人でしたが、ふと我に返ると、一糸まとわぬ素っ裸であったことを思い出します。

「「……きゃーっ!見ないでーっ!」」

さんざっぱらアレやらコレやらいちゃついておきながら、今さら見るなも何もなさそうなものですが、きっと深い夜闇が二人の羞恥心やらナニやらを隠してくれていたのでしょう。

で、二人がどうなったかと言えば、あまりの恥ずかしさでそれぞれ松の木になってしまったということでした。

いつまでも帰って来ない二人をみんなで探したところ、昨日まで何もなかった草原に忽然と二本の松が立っており、それぞれの根元に衣服が脱ぎ散らかっていたことから事態を推察。

郎子の方を奈美松(なみまつ)、嬢子の方を古津松(こつまつ)と命名。奈美とは「な見(見るな。な、は禁止)」、古津とは「忽(うっかり、心せく様子)」を意味しており、二人の慌てぶりが目に浮かぶようです。

その後、二人の松は次々と子孫を増やしたようで、現在では「童子女の松原公園(現:茨城県神栖市)」として人々に愛されています。

※参考:
下川耿史 監修『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』宝島社、2020年11月
秋本吉徳『常陸国風土記 全訳注』講談社学術文庫、2001年10月
童子女の松原公園(おとめのまつばらこうえん)|常陸国風土記を訪ねる|常陸国風土記1300年記念

 

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