京都の漢学塾跡で岩倉具視の”暗号表”発見!重文級など数万点と共に

Japaaan編集部

江戸―明治の本草漢学塾「山本読書室」跡の土蔵に数万点にも及ぶ史料が秘蔵されていたことが分かりました。大量の史料のには重要文化財級の史料が少なくとも数百点。松田清京都外大教授が約2年半調査し、目録を刊行しました。

1877年(明10)の西南戦争で明治政府No・2の右大臣だった岩倉具視が使った暗号表や、最後の徳川将軍・慶喜が官軍に江戸攻撃中止を求めた直筆哀訴状、菅原道真直筆の可能性が指摘される9世紀の写経もあり、新史実の解明が期待できる一大史料群として注目されそうです。中野三敏九州大名誉教授は「類例のない大量の新史料」と評価。


岩倉具視が使った暗号表は紙製で、大小2枚の円盤の周りにそれぞれカタカナが書いてあり、直径約10センチの小さい方の円盤を回して文字を変換する仕組み。

暗号表の他に、東京の岩倉が九州の戦地や、大阪の大久保利通らと電報や暗号表など最新技術を駆使して交わした秘密通信文61通もありました。士族反乱が全国に広がらないよう、情報収集していた老練な政治家の息遣いが伝わってきます。

慶喜の哀訴状は、江戸攻撃が8日後に迫った1868年(明元)3月7日に官軍に届けられたもの。「慶喜一身」を罰し「無罪之生民」に苦しみを与えないよう、攻撃中止を求めた内容。当時、回覧のため筆写されたので内容は知られていましたが、直筆が発見されたのは初めてです。

山本読書室は岩倉具視と縁が深く、これまでも伝記「岩倉公実記」の実記編集用に集めた参照史料など数百点を所蔵していました。既に知られている岩倉関連史料は重要文化財で、専門家は今回の史料も重文級と評価しています。
山本読書室
今回の史料は現在、京都府立総合資料館で一時的に保管されています。

重文級含む史料、数万点発見 岩倉具視が使った暗号表など:日本経済新聞
SI034 山本亡羊読書室旧蹟 – 京都市
岩倉具視 – Wikipedia

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