般若心経の謎の一節「ぎゃーてーぎゃーてー はーらーぎゃーてー」その意味とは?:3ページ目
なぜこの部分だけ翻訳されないの?
この部分だけが、なぜこのように訳されずに残っているのでしょうか?
実は「ぎゃーていぎゃーてい」の部分は「マントラ(真言)」と呼ばれ、仏への讃歌や祈りなどを象徴的に表現した言葉、つまりまさに「呪文」なのです。
そのことは、この部分に続く最後の一節の
般若心経
(はんにゃしんぎょう)
が
「(これこそが)般若のエッセンスである」
という意味になっていることからも分かります。
この部分も他の部分と同じように訳すことができないわけではありません。しかしそうすると、『般若心経』で説いてきたことを総括・凝縮した呪文である「ぎゃーていぎゃーてい…」の意味が極めて限定的になるという問題が起こります。
そのため、「このマントラは敢えて訳してはいけない」と考える僧侶や学者が多く、訳出されないままとなっているのです。