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徳川家康にも縁があった!?関東の三大師のひとつ「佐野厄除大師」

徳川家康にも縁があった!?関東の三大師のひとつ「佐野厄除大師」

新年を、気持ちよく迎えるために栃木県佐野市にある佐野厄除大師に行ってきました。

佐野厄除大師は、群馬県前橋市にある龍蔵寺の「青柳大師」、埼玉県川越市にある喜多院の「川越大師」とともに、「関東の三大師」の一つに数えられています。

毎年、正月の三が日には数十万の人々が参拝に訪れ、国内でも屈指の初詣スポットですが、正月に関係なく連日、本堂で厄除の祈願、方位除災の祈願をする人々の姿が絶えません。

実際、筆者が訪れた1月中旬頃も、平日にもかかわらず多くの人が参拝に来ており、露店などもありました。

佐野厄除大師がある惣宗寺は、東武佐野線の佐野市駅の北西約900メートルのところに位置しています。天台宗の寺院で、正しくは「春日岡山 転法輪院 惣宗官寺」といいます。

もともとは、944(天慶7)年3月、奈良の僧 宥尊(ゆうそん)という僧侶が開いた寺です。その後、藤原秀郷公が平将門降伏の誓願により、佐野の春日岡という場所に移しました。1602(慶長7)年には、秀郷の末裔とされる佐野信吉が居城を春日岡に移すにあたり、同寺も現在地に移転しました。

家康の死後、その霊柩が久能山より日光へ遷る際、この同寺に一泊したことから、境内には佐野東照宮が建てられています。三代将軍家光公も参拝するなど徳川幕府との縁も深い寺院です。

足尾鉱毒事件の解決に尽力した田中正造の墓もありました。1913年(大正2年)、この寺で本葬が行われた関係で、遺骨の一部をこちらに埋葬したそうです。

佐野市周辺は、江戸時代には「天明」という地名で呼ばれ、鋳物の産地として知られていました。同寺にある銅鐘も、天明鋳物でつくられています。佐野市では最古のもので、1858(明暦4)年に、鋳物師が、100人以上集まって合作し、寄進したと伝えられています。

鐘を吊す竜頭は、竜の子である「ホロウ」の形をとり、首で吊す姿は職人の高い技術水準を示しています。現在は、佐野市の文化財に指定されています。

また、同寺の「金銅大梵鐘」は、厄除元三慈恵大師一千年御遠忌を記念して、人間国宝香取正彦氏によって製作されたものです。直径 1.15メートル、重量約2トンの日本一大きな黄金の鐘楼で、黒塗りの切妻造りの鐘楼に納められています。当日は、この鐘楼を目当てに写真を撮っている方もいました。

多くの歴史上の人物達にゆかりのある、とても素敵な寺院でした。

佐野厄除大師

  • 住所:佐野市春日岡山2233番地
  • 受付時間:午前8:20~午後5:00
  • アクセス(電車):JR 両毛線「佐野駅」より徒歩15分 又は 東武佐野線「佐野市駅」より徒歩10分
  • 公式ホームページ
 

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