寺社参詣の際、お前りする前に「賽銭箱」や「浄財箱」にお金を投げ入れる―読者の皆さんも経験あると思います。確かに、筆者が奈良県の橿原神宮に初詣に行った際も、皆さんすごい勢いでお金を投げ入れていましたね。
日本人はどうしてお賽銭を投げ入れるのでしょうか。神仏に対して失礼に当たらないのでしょうか。今回は「お賽銭とは何か」ということを改めて考えながら、お賽銭を神仏に投げ入れる日本人の行動について考えてみたいと思います。
お賽銭は神様から受けた益に対しての感謝
そもそも「お賽銭」の「賽」は、神様から受けた益に対して感謝してまつることを意味しています。「まつる」とは神様のことをもてなす、接待する程度に思っていればよいでしょう。この「賽」、元々は、金銭ではなく幣帛・米などを供えていました。
中世の頃になると、貨幣経済と寺社参詣が庶民にまで浸透し始めたこともあり、次第にお金に変化していったと考えられています。
また、お寺のお賽銭には、「お布施」の意味があります。「お布施」は、仏道修行の一つで、それを行うことにより自分の欲を捨てるということにつながります。