江戸時代の書物を見ると、二重瞼の女性がいないことに気が付きます。そう、この時代は、目が大きすぎないほうがいいとされていました。江戸時代の化粧書「都風俗化粧伝」によると、目は「あまり大き過ぎるたるは見苦し」と書いてあるそう。といっても、中には、大きい目の女性だっているわけで。そんな女性たちは、ある方法を実践するのです。
目を小さくみせるテクニック!
「目八分」(めはちぶん)という方法で、自分の前八分を見下ろすと良いとし、立っているときは自分の足元より向こう1.8mくらい先を見ないといけないとか。つまり、自分の身長よりやや先を見るのですね。そして座っているときは、自分の膝より90㎝ほど先を見ると、自然と瞼が下がって目が細く見えるのだとか。これ、ここぞというときだけだったら、なんとかできるとは思いますが、日頃からやれっていわれたらムリですよね。
目が大きいのは美しくないとされるのが当時のトレンド。でも、やっぱり美しくありたいと思うのが、女心。目を見開くなんてはしたないと思われた時代に、少しでも目を小さくみせるために女性たちは「目八分」を実践していたわけです。
さらに、瞼に白粉を濃く塗って、目の中にも白粉が入るよう化粧していた江戸時代の女性。こうすることで、目が大きく見えないと言われていたようです。そこまでするの?と思いますが、それだけ目の小ささが良しとされていた時代だったのですね。