進化する木版画!海外を魅了する日本木版画の新たな可能性「浮世絵に魅せられた外国人絵師たち」

増田 吉孝

これまでJapaaanでも何度か紹介しているアダチ伝統木版画技術保存財団。浮世絵ファンの間では馴染みがあるかと思いますが、昭和の初め頃から伝統木版画技術を保存・継承して次の世代に伝えるため、様々な活動を行なっています。

アーティストfeebeeさんの新作浮世絵作品でのコラボレーションは記憶に新しいところ。その他、草間彌生さんや山口晃さんなど現代美術アーティストとのコラボを積極的に行なっている財団です。

アーティストfeebeeが描く十二支のキメラが浮世絵に!伝統の技を受け継ぐ若き彫師・摺師と初コラボ

鶏の頭に、虎の背中や犬の足、蛇の舌に馬のたてがみ……様々な動物の要素が合体した、この奇妙な生き物はいったい何なのでしょうか? ちょっとグロテスクですが、まるで神話の中に登場する神獣のようにも見えます。…

そんなアダチ伝統木版画技術保存財団がとても面白い展示を行いますよ!

2017年2月4日(土)からアダチ伝統木版画技術保存財団の常設展示場で行われる「浮世絵に魅せられた外国人絵師たち ~ ニキ・ド・サンファールから N・S・ハルシャまで ~」では、世界的アーティストであるN・S・ハルシャさんが絵師となり、アダチ版画の彫師・摺師と共に創造した作品が公開されます。

今回のプロジェクトはN・S・ハルシャさんから「浮世絵に培わ れた日本の伝統木版技術で新しい作品を制作してみたい」との要望があり実現したもので、透明感あふれる色彩を特徴とするハルシャさんの作風と和紙と水性の絵具から生まれる伝統木版画特有の風合いが見事に調和した、木版画の可能性を感じる作品になっているそう。

本展ではN・S・ハルシャさんの新作「恥ずかしがりの猿」(黄昏・鶏鳴・日出)、「奇襲」などの新作4点と、外国人アーティストの作品が約10点展示されるそうです。

日本伝統である木版画技術の発展によって江戸時代の代表的文化となった浮世絵はゴッホやモネなど印象派の画家たちに影響を与えました。今日においても浮世絵を大量に収蔵している国外の博物館や美術館は多く、有名な浮世絵コレクターには外国人の名も少なくありません。

本展はそんな木版画技術の現在と海外アーティストとの繋がりを感じられるとても貴重な機会になるでしょう。入場料は無料となっていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

「浮世絵に魅せられた外国人絵師たち」は2017年2月4日(土)〜3月5日(日)の期間、アダチ伝統木版画技術保存財団 常設展示場で開催されます。

浮世絵に魅せられた外国人絵師たち ~ ニキ・ド・サンファールから N・S・ハルシャまで ~

浮世絵・木版画のアダチ版画研究所

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