これまたおもしろい部分にフォーカスした展覧会が開催されます。今回紹介する展覧会は「武士と印刷」。"印刷物を作らせた武士"にスポットを当てた展覧会なんです。
武士の展覧会といったらやはり武士が使用した甲冑や日本刀を展示する展覧会が人気かと思いますが、本展では徳川家康を代表する印刷物を作らせた武士、そして作られた印刷物を紹介。
江戸時代の印刷物といえば浮世絵が人気を集めていましたが、あまり知られていない日本史の一面として、武士たちが全国的に個性豊かな印刷を行っていたのだそう。「戦」が本分であった武士が「知(=印刷)」による活動を行なっていた事実を印刷資料とともに紹介されます。
展示内容の第一部には歌川国芳の武者絵を中心に約150点のコレクションが展示されます。武者絵に描かれる力強く勇ましい武士たちの姿と印刷物を刷らせていた武士のギャップを楽しむというのも本展の魅力の一つとなっています。
第二部では戦国時代、江戸時代を通じて約70人の武士が刷らせたおよそ160点もの印刷資料を展示。文章のみならず詳細なスケッチ、製図などによる資料もあるので楽しめるかと思います。
武士の印刷事業にスポットを当てた展覧会「武士と印刷」は2016年10月22日(土)~2017年1月15日(日)まで、東京都文京区・印刷博物館で開催されます。