本阿弥光悦と俵屋宗達を祖とする琳派は、狩野派とともに江戸時代に非常に強い勢力を持っていた日本絵画の流派でした。
琳派の絵師で江戸時代後期に活躍した絵師が、今回紹介する展覧会の主役・鈴木其一(すずききいつ)です。鈴木其一は江戸琳派を基盤にしながら、斬新で独創的な作品を描いた画家として近年大きな注目を集めている人物。
その其一の画業の全容を捉え魅力を伝えるのが、大回顧展「鈴木其一 江戸琳派の旗手」です。
其一は江戸琳派を確立したと言われる酒井抱一の一番弟子。酒井抱一は江戸の地で琳派の再興を図った人物で、より写実的で洗練された画風を描きました。抱一が没して以降其一は圧倒的な存在感を示し、江戸幕末期にはダイナミックな構成や明快な色彩を多用し独自の作風を築いていきました。
そんな「江戸琳派の旗手」、鈴木其一の作品が国内外からかつてない規模で作品が一堂に揃うのが本展。展示作品の中には新出作品も含まれます。
今回の展示品の中で最も注目されている朝顔図屏風が日本で公開されるのは実に12年ぶり。アメリカのメトロポリタン美術館に収蔵されているこの作品は同美術館でもとても人気の高い作品なんだそうです。
琳派というと琳派の歴史上で大きな役割を担った俵屋宗達や尾形光琳の名をよく耳にしますが、鈴木其一もまた琳派に大きな変革をもたらした人物。
鈴木其一の初の大回顧展「鈴木其一 江戸琳派の旗手」は2016年9月10日(土)~10月30日(日)の期間、東京・サントリー美術館で開催されます。
鈴木其一 江戸琳派の旗手
会期 :2016年9月10日(土)~10月30日(日)
※作品保護のため、会期中展示替を行ないます。
開館時間 :10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※9月18日(日)、21日(水)、10月9日(日)は20時まで、10月22日(土)は「六本木アートナイト」のため22時まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
※shop×cafeは会期中無休
休館日:火曜
入館料:一般 当日 ¥1300(前売 ¥1100)大学・高校生 当日 ¥1000( 前売 ¥800)
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
※10月22日(土)は「六本木アートナイト割引」のため一般、大学・高校生は一律500円
公式ホームページ: 鈴木其一 江戸琳派の旗手 – サントリー美術館