近代・現代日本画を専門に約1800点の作品を所蔵し、年に5~6本の企画展示を行っている山種美術館。
毎回、企画展には歴史的に価値の高い作品が多く展示されます。展示が素晴らしいのはもちろんのことですが、ぜひ立ち寄ってほしいのは館内にある「Cafe椿」。毎回、企画展に合わせて青山の老舗菓匠「菊家」に特注した特製の和菓子が出されています。
2015年9月1日から山種美術館では琳派400年を記念した特別展「琳派と秋の彩り」を開催。俵屋宗達や尾形乾山など、琳派の名品を一堂に公開します。そして、今回企画展のためにcafe椿で用意した和菓子は5点。それぞれ展示される作品と合わせてご紹介していきましょう。
菊の香 Kiku-no-Ka
酒井抱一が描いた《菊小禽図》にある菊をモチーフにしています。中に爽やかな柚子あんが入っています。
にしき Nishiki
荒木十畝作≪四季花鳥≫の「秋(林梢文錦)」にある紅葉した葉を表現しています。練りきりで作られた葉の色合いと、こしあんのハーモニーを楽しみたい一品です。
秋草 Akikusa
酒井抱一の金屏風≪秋草鶉図≫にある月と秋草と鶉をイメージしたきんとんです。鳥と月は羊羹で表現。黒糖風味の大島あんが味わい深くしています。
この3点に加えて、速水御舟の≪桔梗≫を和菓子に仕立てた「桔梗」と、菱田春草が描いた画に描かれている月の光に照らされている秋の葡萄をモチーフにした「月のしずく」が味わえます。
館内を回って琳派の名品を眺めたあとは、カフェで一休み。作品の中にあるモチーフをあしらった和菓子を堪能できるって素敵ですよね。鑑賞した名品を思い出しながら食べれば、味わい深いはず!
山種美術館
過去の展覧会で作られた和菓子(菊家謹製)
画像提供:山種美術館