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縄文時代の怪奇な呪術世界――「頭部のない人骨」と壊された土偶が語る“生贄”の謎

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頭部に穴のある人骨と土偶

そのほかにも、秋田県内では奇妙な人骨と土偶が出土しています。縄文時代晩期の貝塚から8体の人骨が見つかり、そのなかに頭蓋骨を石斧のような鈍器で叩いて穴を開け、ベンガラ(赤色顔料)が塗られているものがありました。

さらにこの遺跡から5㎞離れた同時期の遺跡からは、頭をもぎ取られて土坑の中に埋葬された土偶が見つかりました。この土偶の後頭部には、制作時に開けられた星形の穴があり、埋葬時には胴体は仰向けに、頭は後頭部の穴が分かるように反転して置き直されていました。

人骨の頭部に開けられた穴は、「魂が出入りする通用口」だという考えがあります。ほかの地域の土偶や土面にも小さな穴が開けられていることから、穴はこうした呪術のために施されたと推測できそうです。

縄文時代の土偶祭祀と葬送

縄文時代初期の土偶にはもともと頭部がなく、時代が進むと顔らしきものが作られ、やがて目鼻口が表現されるようになりました。その多くの顔がデフォルメされた表現であり、それは「人間」ではない「何者か」であることを区別するためだったとも言われています。

それらが完全な形で見つかることはほとんどなく、中には目をつぶされたり、腕をもぎ取られたりと、意図的に破壊されています。その行為は、子孫繁栄や豊穣などを祈る祭祀で行われたと考えられていますが、当然ながらはっきりとした理由は分かっていません。

また、時代が進むと葬送のあり方も複雑化する傾向にありました。埋葬場所や遺体の向き、副葬品など、同じ墓地にあっても葬られる人によって違いが見られるようになります。

3ページ目 階層化した社会が誕生していた?

 

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