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国税局査察部(マルサ)はなぜ生まれた?税務署員が命を落とした時代の脱税摘発史

国税局査察部(マルサ)はなぜ生まれた?税務署員が命を落とした時代の脱税摘発史:2ページ目

変わる標的

しかし戦後の混乱が落ち着くにつれ、タレこみに依存した摘発手法は問題視されるようになります。

昭和29年には第三者通報制度が廃止され、国税当局はより公正で透明な情報収集を求められるようになりました。

これを境に、マルサのターゲットは闇業者から、正規の経済活動において脱税を行う人々へと移行していったのです。映画『マルサの女』で描かれた世界にだんだん近づいていったんですね。

こうして、企業や富裕層の脱税を強制調査で暴くという現在のマルサのイメージが形づくられていきました。

こうして見ていくと、戦後の脱税摘発の流れは、意外と危険と隣り合わせでもあったことが分かります。戦後直後の闇業者の摘発が主な任務だった頃は、マルサは職務内容によっては殉職することもあったブラックな職業でした。

しかし酒税に関して言えば、戦後はだんだんと国税収入の上位を占めるほどの水準ではなくなっていき、密造酒を作って商売にするメリットもなくなっていきます。

こうした時代の変化と制度の成熟によって、マルサは次第に「ホワイト化」していったのです。

参考資料:
大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年
画像:PhotoAC,Wikipedia

 

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