なぜ伊勢神宮が「日本人の総氏神」と称され別格扱いされるのか?——神社と神様の素朴な疑問【前編】:2ページ目
天照大神と日本人の結び付きとは
天照大神は、『古事記』と『日本書紀』(いわゆる「記紀」)において細部の違いはあるものの、国生みの神・伊邪那岐命(いざなぎのみこと)から生まれた「三貴子(さんきし)」の一柱とされています。
亡くなった妻・伊邪那美命(いざなみのみこと)を追って黄泉国(よみのくに)を訪れ、そこから逃げ帰った伊邪那岐命が禊(みそぎ)を行った際、左目から天照大神、右目から月読命(つくよみのみこと)、鼻から素戔嗚尊(すさのおのみこと)の三貴子が生まれたと伝えられているのです。
天照大神は、伊邪那岐命から高天原(たかまがはら)の統治を委ねられます。その五世の孫にあたる神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)が、初代天皇・神武天皇であるとされます。
このような系譜から、天照大神は日本皇室の祖神と位置づけられ、日本人とは深い縁で結ばれていると考えられてきました。
しかし、天皇家と一般の国民、すなわち私たち日本人との間に、どのような関係があるのかと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
日本の天皇家は、神武天皇以来、万世一系とされる特別な存在です。そのため、天皇家と一般の日本人とは本質的に無関係であると受け止められがちです。
ところが、この天皇家の長い歴史と、島国という閉ざされた日本の地政学的条件が相まって、天皇家と日本人は、世界的にも例を見ないほど密接な関係を築いてきたと考えられます。
3ページ目 天皇家と多くの日本人との間には、どこかで血のつながりがある

