雨の日の会話って、意外と難しいですよね。「雨だね」で終わる日もあれば、「どのくらい降ってる?」と聞かれて、うまく言えずにスマホの画面を見せてしまう日もあります。
でも日本語には、雨の様子を手ざわりまで伝えられる言葉がそろっています。しかも、たった四文字で言い分けられます。
今回は、雨の様子を表す「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」という日本語の違いについてまとめてみました。
※関連記事:
なんと400語以上あると言われる日本語の「雨の呼び名」情緒あふれる素敵な呼称を一挙ご紹介!
日本にはたくさんの雨を表す言葉、雨の呼び名があります。温帯湿潤気候で、雨の多い日本では、雨の悩み、恵みとともに暮らしてきました。日本人は生活の中で、雨の細かい違いを敏感に感じ取っていました。…
梅雨の語源。どうして梅の雨で「つゆ」と読むようになったの?
毎年、5月の終わりごろから7月の半ばにかけて雨降りの日が続く梅雨(つゆ)。[caption id="attachment_95483" align="aligncenter" width="5…
ポイントは「間」「広がり」「湿り気」「音」です
雨の擬態語は、単に強い弱いだけでは決まりません。次の四つを見ると、言葉が選びやすくなります。
間があるか
雨粒が広く散るか
湿り気が続くか
音がはっきりするか
この視点で、四つを並べるとこうなります。
「ぽつぽつ」
間がある雨です。始まりや終わりの気配が出ます。
「ぱらぱら」
軽い連続の雨です。小雨でも「降っている」感じがはっきりします。
「しとしと」
音は控えめでも、湿り気が長く残る雨です。気づくとしっかり濡れます。
「ざあざあ」
音も量も強い本降りです。行動まで変えさせる雨です。
「ぽつぽつ」 迷いが生まれる、始まりの雨です
「ぽつぽつ」は、雨粒が点で落ちてくる感じです。間が空きやすく、雨がまだ定まっていない印象があります。だから、こんな場面に合います。
校門を出た瞬間に一滴当たる
空を見上げて、傘を出すか迷う
降りそうで降らない時間が続く
雨が弱まって、終わりかけている
例文にすると、雰囲気が出ます。
「駅まで急いでいたら、雨がぽつぽつ落ちてきました。」
この文は、雨そのものより「どうしよう」という気持ちが立ち上がります。読者も一緒に空を見上げる感じになります。
