「べらぼう」蔦重と歌麿、あの頃にはもう…おていさんの安否、失脚の定信…11月9日放送の振り返り&考察

「もう蔦重とは終わりにします」

遊女たちの美人画を描き上げ、ついに蔦重(横浜流星)と決別した歌麿(染谷将太)。最後までその思いに気づくことなく、蔦重は永年の礼とお詫びを伝える手紙が視聴者の胸を打ちました。

蔦屋に戻ってみればおていさん(橋本愛)がいきなり産気づき、切迫した状況に。早すぎるけど、このまま産んでしまわないと母体が危ない……果たしてどうなってしまうのでしょうか。

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いっぽう江戸城ではオロシャ問題を解決?した松平定信(井上祐貴)が、まんまと罠にハメられ、みごと失脚してしまいます。大老格どころか、みんな「せーの」で梯子を外して大爆笑。

今まで幕府のために嫌われ役を買って出た挙句、目的を果たせばお払い箱。そりゃ定信も呪いたくなるでしょう。

とまぁ今週も胃が重たかったNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、第43回放送「裏切りの恋歌」気になるトピックを振り返ります。

歌麿の視線と恋心

三味線を手入れする遣手、想い人を待つ茶屋の娘……実に味わい深い仕草や表情をじっくりと観察し、自分の恋心として描いた歌麿。

別に売って欲しい訳じゃないし、後添いの品定めをしていた訳でもありません。ただ一人一人の胸中に思いを馳せ、それを絵筆に乗せたのでしょう。

それが蔦屋の目には「後添いを探している」と映り、歌麿の幸せを無邪気に願い、語ったのでした。

かくして終わった歌麿の恋ですが、その想いは決して潰えた訳ではなく、その作品に豊かな表情を与えることになります。

いわば蔦重にここまで思いを寄せたからこそ、歌麿は当代一の絵師にまでなれたのかも知れませんね。

※あくまで大河ドラマの創作であり、実在の歌麿が蔦重に思いを寄せていたかは不明です。

万次郎に奪われた「そうきたか」のお株

ただひたすら江戸の経済を回し、景気を回復させたい一心で、歌麿の絵を「いかに売るか」ばかりとなっていた蔦重。

それに対して西村屋万次郎(中村莟玉)は、蔦重が忘れていた斬新さをこれでもかと見せつけます。

「面白い本屋は、何も蔦屋だけじゃない」

老成した先代・西村屋与八(西村まさ彦)の後ろ盾に支えられ、あふれんばかりの創作意欲を発揮して、きっと面白いものを生み出すことでしょう。

蔦重が必死に切り拓いてきた道を進んで先を越され、「そうきたか」のお株を奪われてしまった蔦重の老いを感じずにはいられませんでした。

しかしこれでへこたれる蔦重では……ないですよね?最終盤に向けてシリアスな場面が続きますが、最後まで力強く駆け抜けることを期待します。

3ページ目 歌麿が本当に欲しかったのは?

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