須原屋市兵衛(里見浩太朗)の身上半減処分を受けて、江戸の街を再び華やかにしようと意気込む蔦重(横浜流星)。書を以て世を耕す精神は、身上半減なんかで潰えはしない……苦境にあって、ますます闘志を燃やすのでした。
いっぽう江戸へ戻って来た喜多川歌麿(染谷将太)は、蔦重の商才に感心しつつ、愛妻の生前は忘れていた蔦重への思いをぶり返してしまいます。
滝沢瑣吉(津田健次郎)の要らぬちょっかいこそやり込めたものの、傷つく歌麿の胸中を見抜いたつよ(高岡早紀)とのやりとりに、胸打たれた視聴者も少なくなかったことでしょう。
そんな中、幕府内では行き過ぎた改革によって孤立を深めていた老中・松平定信(井上祐貴)が一橋治済(生田斗真)と政争を展開。難局を切り抜けつつも「尊号一件」によって将軍家との対立が決定的となるのでした。
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須原屋市兵衛その後
林子平『三国通覧図説』を出版したことにより、寛政4年(1792年)5月16日に蔦重と同じ身上半減の罰を受けた須原屋市兵衛(2代目・宗和)は、この後隠居してしまいます。
3代目を襲名した須原屋市兵衛和文は文化3年(1806年)に発生した文化の大火で大打撃を受けました。
その後は万亭叟馬『由利稚野居鷹』や曲亭馬琴『三七全伝南柯夢』などを出版したものの次第に勢いが衰え、文化8年(1811年)に2代目宗和が世を去ってからは単独出版から共同出版に移行します。
文政6年(1823年)に3代目和文が世を去ると、須原屋は休株(空席)となったのでした。
実際にはまだまだ生きるものの、劇中ではこれで退場となるのでしょうか。
蔦重を若い頃から温かく見守り続けた市兵衛が第一線を退いたことは、蔦重にとって大きな動揺をもたらしたと思われます。
