『べらぼう』 ”エンタメの奇跡”で暴動が収束も…新之助の死に苦しむ蔦重を救い出した歌麿【後編】:4ページ目
蔦重の“心”を救い出したのは、生地獄から二度救った歌麿
「とびきりいい顔しちゃいなかったかい?」と歌麿に言われて、微笑みを浮かべた新之助の最後の表情を思い出し、号泣する蔦重。「いい顔だったよ。お前に写してもらいたかった」と泣く蔦重を抱きしめる歌麿。いつもとは立場が逆で、一回り成長した歌麿のほうが「兄」に見えたシーンでした。
今までの話の中で、蔦重が一番悲しみと自己反省の沼に落ちたのは、この新之助の死が初めてでしょう。この自責の念地獄からは、蔦重に子供の頃から寄り添ってきた歌麿しか救うことはできませんでした。ずっと支援し続けた友人の新之助に“命”を救われて、地獄のような人生から2度も救った歌麿に“心”を救ってもらったのでした。
新之助役の井之脇さんが、インタビューの答え、蔦重のエンタメ軍団が登場した時に、台本のト書きに「それはエンターテイメントが起こした奇跡の瞬間だ」と書いてあり、「この一行にドラマのメッセージが凝縮されている」と語っていました。
いろいろと怒涛の展開で衝撃的なこと悲しいことが起こりますが、源内の言葉、瀬川の言葉はずっと根底に流れていて、蔦重の「エンタメの力で世の中を動かす」という信念はずっと貫かれている…そんな感じがします。
これからさらなる困難が起こりそうですが、蔦重のエンタメ力は必ず困難をぶち破っていく、それを信じて今後も見守りたいと思います。
