『べらぼう』憔悴の誰袖に笑顔が戻るも…今後訪れるさらなる悲運は史実を基にどう描かれる?【後編】:2ページ目
「ド派手な駆け落ち」のばかばかしさに思わず笑った誰袖
【前編】では、意知を斬った佐野(矢本悠馬)に似ている男を主人公に、「腹がよじれるような黄表紙を作りてえ」と思案した蔦重は、クリエーターたちと紆余曲折の末に『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』という黄表紙本を誕生させたことを振り返りました。
大河『べらぼう』誰袖に戻った笑顔「筆より重いものは持たねえ」名プロデューサー・蔦重の見事な仇討【前編】
「許してくだりんすかねえ、雲助様は。後すら追えぬ情けねえわっちを。」NHK大河ドラマ「べらぼう」の第29話『江戸生蔦屋仇討』では、田沼意知(宮沢氷魚)刃傷事件以降、笑うことを忘れ、生きることす…
「家の名をあげるよりも浮き名を流したい」大金持ちの放蕩息子「仇気屋艶二郎」の物語で、ドラマの劇中劇で「劇団蔦重」たちが大げさな素人芝居を繰り広げるという、面白い趣向でしたね。
そして、その抱腹絶倒な物語をただ誰袖に渡すのではなく、蔦重が読み聞かせるという脚本でした。最後の場面、艶二郎と花魁浮名が三味線のBGMで「ごきげんようお駆け落ち〜」の掛け声で、華々しく駆け落ちを見送られるというばかばかしい顛末に、沈み込んでいた誰袖も、思わず笑ってしまいます。
『江戸生艶気樺焼』は実在する書物で、ドラマの劇中劇でも忠実に再現されていましたが、書物のラストでは駆け落ちした二人は盗賊に襲われ、せっかくあつらえたベルサーチのような派手柄のお揃いの着物を身包み剥がされてしまうのですが、それは実は息子を諌める艶二郎の父親が仕組んだものだった……という内容になっています。
さすがにこの部分の実写化はNGだったのでしょう。


