武士道の精華として称賛されてきた「 仇討ち」(または 敵討)ですが、実はルールがたくさんあったとか。仇討ちはルールに則って遂行しないといけないのです。
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仇討ちのルール
では、仇討ちには具体的にどんなルールがあったのかというと……
- 仇討ちできるのは、師匠または父母・叔父叔母・兄姉など目上の近親者が殺された場合のみ。子供の敵を親が討つことはできない。
- 主君(藩庁)に仇討ちすることを届け出て、許しを得ないといけない。
- 返り討ちにあった場合、その仇討ちは許されない。
藩が仇討ちを許可したら、幕府にその旨を届けて、町奉公所の敵討帳と言上帳(ごんじょうちょう)に帳付けしてもらうことで、町奉公所から敵討ち許可書である書替(かきかえ)を貰えるというわけ。これで、ようやく仇討ちができるのです。
きちんと手続きしたら恩恵あります
仇討ちをするからにはルールに従うしかありません。開始するまでに意外と手間ひまがかかりますが、きちんと手続きを行うことでいいこともあったのです。
敵を探す旅先の諸大名の城下町で敵を見つけたら、いきなり仇討ちを開始するのは得策ではありません。まずは藩役所に訴え出ると、敵の身柄を拘束してくれるだけでなく、仇討ちの場所を設営してもらえるなどのメリットがあったとか。
長ーい時間がかかる壮大なミッション
この仇討ちを全うするために、10年から20年かかることは普通で、中には53年かかってようやく仇討ちできた人もいたようです。53年間、仇討ちをすることが常に頭にあるなんて、しんどいという言葉では表せないほどの壮絶な人生ですよね、きっと。
それでも仇討ちできたらいい方なのかもしれません。仇討ちできないまま、命が尽きた人も少なくなかったようです。