【光る君へ】藤原実資の従者を罵辱!道長の庶子・藤原頼宗が抱える鬱屈した思い…:2ページ目
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みな目くばせするばかり?
しかし頼宗の従者は収まりませんでした。
翌日には内大臣である藤原公季の従者を凌轢。何がそれほど気に食わないのでしょうか。
この話を聞いた実資は、大いに嘆息したそうです。
「あの従者は狂乱しており、道長の権勢に忖度して何も言えず、互いに目くばせしあうばかりである(意訳)」
従者の不始末は主人の不始末……あまりの乱行を見かねた道長は5月22日に頼宗を呼び出しました。
その内容は知らされていないものの、さぞかし油を搾られたのではないでしょうか。
道長は実資らに対して、頼宗の不行跡を詫びたそうです。
「此度は愚息が大変迷惑をおかけして、申し訳ない」
実資とすれば、罵辱を受けた部下の手前、大いに責めてやりたかったことでしょう。
しかしここで調子に乗ってしまうと後が恐ろしい。実資は節度をもって答えました。
「いえいえ。大したことではございませんが、大事にならぬようあらかじめお伝えしたまでのことです。それよりも中将(頼宗)殿と書状をやりとりをしたところ、そのご返答はまこと理に適ったものでした」
とのこと。もっとハッキリ言ってやればいいのに……周囲の者たちも、そう思ったのではないでしょうか。
終わりに
今回は道長の次男・藤原頼宗主従が惹き起こしたトラブル事例を紹介しました。
正室と側室の対立は道長一家に限った話ではありませんが、側室側はなかなか鬱屈していたようです。
大河ドラマ「光る君へ」の劇中では競わぬよう、争わぬようたしなめているようですが、言い換えれば「側室側が一方的に我慢しろ」と言われているのと変わりません。
今後、頼宗たちが嫡子ら(藤原頼通・藤原教通)とどんな関係を描いていくのか、最後まで見守っていきましょう。
※参考文献:
- 倉本一宏『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年1月
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