「大黒柱」といえば、建物の中で重要な太い柱のことを指すこともあれば、家族や企業を支える重要な人物を指す場合もありますが、もともとの由来は、古代の都が平城京、平安京にあった時代にまで遡ります。
当時、天皇が住んでいた大内裏の正殿「大極殿」、その中央に立てられた太い柱が「大極柱」で、それが転訛し「大黒柱」となり、一般的に建物のなかで重要な柱を「大黒柱」と呼ばれるようになりました。
そして、組織は建物に見立てられ、「建物を支える」ということから発展し、後者の意味へと発展していきました。今では、「一家の大黒柱」など、こちらのほうが日常的に頻繁に使われているかもしれません。
このように、木造の家に必要不可欠である存在である柱を、組織の重要な役割を担う人を指す意味で使っていますが、他にも、五穀豊穣・財産向上、出世などの神として名高い「大黒天」に因んだという説もあります。