イギリス生まれの「ピンポン」
人気のスポーツである卓球について、日本で発展した歴史を追ってみましょう。まずはその発祥地であるイギリスでの歴史からになります。
もともと卓球は、1880年代に、テーブルで行う即席のテニスもどきの遊びとしてイギリスで誕生したと言われています。そして1891年には、ゲーム用品やスポーツ用品のメーカーが初めて卓球用具一式にあたるセットを販売しています。
しかしこのセットは売れず、メーカーはボールをコルク製からセルロイド製のものへと改良。このボールがラケットに当たると「ピン」、テーブルで弾むと「ポン」という音を出したことから「ピンポン(Ping-Pong)」と命名して売り出すと、飛ぶように売れ始めたのです。
その後も、この商品名の商標登録についてはいろいろありましたが、さしあたりこれが由来となって卓球は日本でもピンポンと呼ばれることになります。
輸入と発展
さて、海の向こうから日本に卓球を伝えたのは東京高等師範学校の教授だった坪井玄道です。1902年のことで、日露戦争の開戦を控えていた当時、日英同盟締結と同年に坪井はイギリス留学から帰国。同盟国の縁もありイギリスからラケットやボールなどのグッズ10セットを学校に持ち帰ったのです。
おそらく彼もイギリスで卓球に触れて、その魅力を感じ取り、日本でも広めようとしたのではないでしょうか。
その後、卓球は日本国内で広まり、1923年には初の全国大会が開催されました。
このように見ていくと、日本は卓球というスポーツを輸入しただけのようですが、実は後年、日本は世界の卓球の歴史を変える発明をしています。それが裏ラバーです。