江戸時代の一般的な年収は160万円前後でした。しかし、現代とは違って自給自足が行われていた時代でもあり、年収が少ないように見えても特別貧しいと言わけではなかったようです。
今回は、そんな江戸時代のさまざまな仕事と年収を紹介します
人気の歌舞伎役者は1日1億円?
相撲や吉原遊郭とともに、「江戸の三大娯楽」に数えられる歌舞伎。主役を演じるような人気役者には、1億円ほどの年収があったといいます。
たった1日で千両(現在では約1億円)もの大金が動くとされ、人気の高い歌舞伎役者は「千両役者」と比喩されることも少なくありませんでした。また、歌舞伎役者は1年ごとの契約で、座元(座長)は人気役者を獲得するために大金を用意して契約を交わしていたのです。
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給料は高くても不安定だった大工
年収が300万ほどで、職人業のなかでも一番給料が高かかったと言われているのが大工。
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江戸の町では頻繁に火事が発生しており、火災時には火の手が広がらないよう火元の隣家は取り壊されてしまうため、大工の仕事は山程あったようです。
ただ、大工の給料は日払いのため、雨が降るとその日の賃金は0円となります。江戸末期に大成された七・七・七・五の音数律で歌われる詩・都々逸には「大工殺すに刃物はいらぬ。雨の3日も降ればよい」と、大工の皮肉さが綴られています。