「政(まつりごと)とは、誰と仲が良いとか頼まれたとかそういうのではなく、もっと厳かなものだと思うのです」
かつて和田義盛(演:横田栄司)から上総国司の推挙をおねだりされた源実朝(演:柿澤勇人)。何とかしてやりたいと相談を受けた尼御台・政子(演:小池栄子)は、公正な政治のありかたをたしなめました。
為政者たるもの、私情をさしはさむことなく公平な態度で臨まねば社会の秩序が乱れてしまいます。
その後も何とかしてやりたいと頑張る実朝でしたが、けっきょく上総国司の件は義盛の取り下げによってなかったことに。残念ですね。
和田義盛が源実朝におねだりしたものとは?『吾妻鏡』を読んでみると…【鎌倉殿の13人】
「鎌倉殿に、一つお願いがあるんです」自宅へ遊びに来てくれた源実朝(演:柿澤勇人)に、そう言った和田義盛(演:横田栄司)。何かと思ったら「親しみを込めて、武衛(ブエイ)と呼んでいいですか」とのこ…
しかし、このような「おねだり」をしたのは義盛だけではありませんでした。さっそく鎌倉幕府の公式記録『吾妻鏡』を読んでいきましょう。
トキューサのおねだりに、実朝のリアクションは?
武州有三品所望之由。内々申之。雖非當時事。終不可空之旨。御契約云々。
※『吾妻鏡』建保2年(1214年)4月27日条
和田合戦からもうすぐ1年が経とうとしていた建保2年(1214年)4月27日。武州(武蔵守)こと北条時房(演:瀬戸康史)が実朝にこんなことを言い出しました。
「鎌倉殿……私、三品(さんぼん)になりたいです!」
三品とは三位(さんみ)のことで、三位以上の位階を持つ者は公卿(くぎょう。最上級貴族)と呼ばれます。
ちなみに、この時点で実朝は正二位。兄・北条義時(演:小栗旬)は正五位下、時房自身は従五位下でした。