よく、インチキをして不当に利益を得る人物やその行為を「ズルい」と言います。
何だか語感は汚いし、いかにも悪いことをしているような響きですが、これが蕎麦打ちに由来しているという説をご存じでしょうか。
なぜ蕎麦打ちから「ズルい」という言葉が生まれたのか、今回は諸説ある内の一つを紹介したいと思います。
蕎麦打ちで手抜きをするには……
蕎麦を打つ時、まず必要なのは蕎麦粉に水を回して生地に練り上げること。水の量が多すぎるとベチャベチャでまとまらず、少なすぎても硬すぎてやはりまとまりません。
聞けば蕎麦粉は小麦粉と違って「後から足せばいい」というものではなく、一度水を入れすぎるとどうにもまとまらないのだとか。
なので適量の水を手早く回すのがコツなのだと言いますが、これがまたなかなか大変。分量はもちろんのこと、その通りに入れてもちょうどいい水加減の生地は硬いため、練り込むのに力が要ります。
そこで要領のいい人は、生地がまとまるギリギリまで水を増やして軟らかくし、練り込む力を軽減するのだとか。