あの「三密」とはもともと空海の教えの言葉だった。高尾山に存在する「三密の道」とは!?:2ページ目
「三密」はそもそも真言宗の教えにある言葉だった!
「三密」という言葉は、そもそも密教の言葉。
弘法大師空海(774〜835)が、唐で学んだ密教を教義に平安初期に開いた真言宗の教えにある言葉だそうです。
【身密・口密・意密】
真言宗の三密は、「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」。
わかりやすくたとえると、
- 身密:体や心を整え正しい行い
- 口密:言葉や発言を正しいものにする
- 意密:正しい心や考えを心がける
という修行を行い、この三密を研ぎ澄ませば、現世であっても心穏やかに過ごせる……という大切な教えなのです。
「密」は、弘法大師空海が唐から伝えた密教の「密」で、仏と一体になる修行を指します。
真言宗の「三密」と現代の「三密」
真言宗の三密は、感染するような行為を行わず(身密)、感染者や医療従事者などへの誹謗中傷をせず(口密)、周囲の人をいたわる心を持つ(意密)……と、「現代のコロナ禍にも活かせる教え」であるとする方もいます。
高尾山にある「三密の道」
都内屈指の観光名所で、ミシュランの三ツ星に認定されるほど世界中に知られる高尾山。その高尾山の中腹に「三密の道」があるのです。
参道の途中に、「男坂」「女坂」に分岐する地点があります。そこで、向かって左手の「男坂」を選びましょう。
男坂は、108段の階段。結構きついので途中休み休み登る人も少なくありません。頑張って登りきると、右手にさらに「仏舎利塔」に行ける階段があります。
その入り口には、左側に「三密の道」右側に「苦抜け門」と記してある石の門があり、そこをくぐるとさらに石段が続きます。
この三密の道の石段が54段。上りきると釈迦の遺骨を納めているとされる仏舎利塔がそびえています。