戦国時代、結婚を拒んで壮絶な最期を遂げた悲劇の美女・藤代御前の怨霊伝説【下】

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前回のあらすじ前回の記事はこちら[insert_post id=120126]陸奥国(現:青森県)の戦国大名・津軽為信(つがる ためのぶ)は、美女として名高い藤代御前(ふじしろごぜん)を側…

陸奥国(現:青森県)の戦国大名・津軽為信(つがる ためのぶ)は、人妻である美女・藤代御前(ふじしろごぜん)に横恋慕。どうにかして我がものとするべく彼女の夫を謀殺しました。

それで(未亡人となった彼女が、生活のため仕方なく)なびくかと思いきや、亡き夫への貞節を守るため、為信の申し出を拒絶します。

ショックを受けた為信は完全に逆上、その場から逃げ帰りましたが、このままでは済むとは思えませんでした……。

為信の最後通告に、藤代御前の回答は?

それから数日経った深夜、すっかり寝静まっていた藤代御前たちは、遠くから伝う馬蹄の地響きで目を覚ましました。

「……来ましたね……」

ただならぬ事態を察した藤代御前は、いざとなれば館に立て籠もるべく、全員に戦支度を命じます。

馬蹄の響きは次第に近づき、やがて館を取り囲むように静まりました。闇の中で、馬の嘶(いなな)きや甲冑のガチャガチャと鳴る金属音が犇(ひし)めいています。

「何用ですか!」

俄かづくりの物見櫓に上がった藤代御前は、迫り来た大軍を問い質します。大軍の主は、言うまでもなく為信でした。

「藤代の!これが最後通告ぞ……そなたを我が妻に迎えよう。もし望むなら正室に挿(す)げ替えても構わぬ……否と申さば、我が軍勢がそなたらを一呑みにしてくれようぞ!」

きっと(お高くとまった)藤代御前は、側室という地位が嫌だったのだ。ならば、正室にしてやると言えば、首を縦に振るはず。念のため、武力による脅しも忘れずに……そう思っての実力行使でしたが、やはり藤代御前は拒絶しました。

「バカめ!……と言って差し上げますわ」

確かにあなたは、偉いのかも知れない。強いのかも知れないし、賢いのかも知れない。カネも権力も手に入れて、気に入らない相手は武力で屈伏させ、欲しいものは何でも奪えるのかも知れない……それでも、心だけは渡さない。

「殺すなら殺せばいい!それでも私は、決してあなたなど愛さない!」

「いい度胸だ……よく言った!者ども、攻めかかれ!」

毒を食らわば皿までも……決定的にフラれた以上、藤代御前の骨ひとかけさえ残さぬ怒涛の勢いで、為信の大軍は小さな館を呑み込みました。

3ページ目 壮絶な最期を遂げた藤代御前、怨霊となって為信をとり殺す

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