水たまりの上をスイスイ動き回る「アメンボ」。
体長は約10~15ミリメートル。10匹集めても1グラムに満たないほどのわずかな体重と、びっしりと足先に付いた油性の体毛を利用し、表面張力によって水をはじき、水面を自由に移動することができます。
意外かもしれないませんがアメンボは、臭いにおいを出すカメムシの仲間なんです。
アメンボのアメは「雨」ではなく「飴」
アメンボというのは、水面に映る波紋が雨のように見えるから名づけられたように思われていますが、実はちがいます。読み方は同じでも意味が全く異なる「飴」に由来しています。
アメンボは水面で虫などをとらえる際、飴の香りのような、甘い匂いを出します。そのため、「飴棒」「飴坊」などと呼ばれるようになり、それが「アメンボ」になったとする説が有力。
古くはアメンボの他に単にアメ(飴),アメウリ(飴売り),アメヤ(飴屋)などとも呼ばれていたこともあったようです。他にもアメガタやタンキリ,ジョウセンなど飴の別称や種類,お菓子の名前などに由来しているものもあります。
また、アメンボを漢字で表す言葉としては他に、「水馬」「水黽」「水蜘蛛」など様々なものがありますが、これらは,それぞれ水面を跳ねるアメンボの様子が「馬」や「黽(かえる)」,「蜘蛛(くも)」に例えられているのです。