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橋、端、箸、日本語はなぜ同音異義語が多いのか?

橋、端、箸、日本語はなぜ同音異義語が多いのか?

「はしを通るべからず」
こう書かれた立て札のある橋を見て、一休さんは堂々と橋の真ん中を歩いて渡りました。

え?「橋を通るべからず」って言われているのに・・・。最初にこのエピソードを聞いたり見たりした人はこのように思ったことでしょう。

しかし、とんち名人の一休さんは違いました。
「端を通るべからず」
とこう読んだのです。だから橋の真ん中を堂々と渡っていったわけですね。これは同音異義語をたくみに使いこなした謎解きというふうに言えるでしょう。

「はし」とパソコンやケータイで入力してみると「橋」「端」「箸」「嘴」「梯」などの漢字が出てきます。どれも読みは「はし」ですが全て意味が違います。このように同じ読みをするけれども意味が違う言葉を同音異義語といい、日本語はこの同音異義語が極めて多い言葉として有名です。

では、なぜこんなにも同音異義語が多いのでしょうか?

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その原因としてまずあげられるのは、日本語の母音の数です。日本語には「あ」「い」「う」「え」「お」のたった5つしか母音がありません。

英語の場合には諸説ありますが30もの母音があると言われていますので、その数は比べ物にならないくらい多いのです。母音の数が多ければ当然子音との組み合わせの数もそれだけ多くなりますので、同音異義語が生まれる可能性は低くなります。

また、それで困ることが無かったというのも同音異義語が多い理由かもしれません。なぜ困らなかったのかというと、それは日本人が文脈によって言葉の意味の違いを聞き分ける能力に優れていたからではないでしょうか。

相手が何を伝えたいと思っているのかといったことを注意深く傾聴することが習慣づいていれば、たとえ同じ読みの言葉を多用していたとしても「きっと今の文脈ならこちらの意味だろうな」ということで話が通じてきたのでしょう。

さらにはそうした同音異義語を活用することで日本独自の文化が育ってきたことも面白い点です。例えば和歌などには掛詞という技法がありますが、これは同音異義語をたくみに用いて1つの言葉で色々な意味を表現するという方法です。

同音異義語は分かりづらいと感じられる点もありますが、いかにも日本らしい表現のひとつというふうに言うことができます。

 

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