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恋の手本になりにけり…大ブームを巻き起こした江戸の三大心中を紹介

恋の手本になりにけり…大ブームを巻き起こした江戸の三大心中を紹介

江戸時代には様々なブームがありましたが、その中の一つになんと「心中ブーム」がありました。今回は江戸の三大心中を取り上げます。

曽根崎心中 元禄16年(1703)

大阪堂島新地天満屋の女郎はつ(21歳)と醤油商の徳兵衛(25歳)が曽根崎村の露天神社で心中した事件。この事件により、露天神社はお初天神と呼ばれるようになりました。

事件から一月後、近松門左衛門がこの事件を題材に、人形浄瑠璃「曽根崎心中」として上演すると、たちまち「心中ものブーム」が巻き起こり、すぐに歌舞伎にもなりました。
この事件を元にした作品: 角田光代「曽根崎心中」

 

心中天網島 享保5年(1720)

大阪網島で、曽根崎新地の遊女小春と天満の紙屋治兵衛が心中した事件。小春の存在を知っても恨まなかった優しい奥さんと子供たちへの義理から、二人は遺書をしたためて大川に身を投げたとも、刺し違えて死んだとも伝わります。

この事件をまたもや近松門左衛門が浄瑠璃にすると、曽根崎心中を超える「心中ブーム」が巻き起こりました。なんと「俺たちも来世で結ばれよう」という具合で、若い男女の心中事件が多発。そのため享保8年に江戸幕府はこうした心中ものの上演を禁止しました。さらに心中未遂などを起こした場合には極刑、心中遺体は葬儀も禁止など、厳しい法を定めました。それでも「お上が怖くて恋ができるか」とばかりにブームは広まり、たびたびこうした心中事件は起こりました。
この事件を元にした作品: 里中満智子「心中天網島」

2ページ目 五千石取りという立派な旗本の心中事件

 

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