猫に位まで!?平安時代の一条天皇は異常なまでの猫愛あふれる天皇だった
平安時代の特徴とも言える女流文学が開花した時に在位していた一条天皇は、かなりの猫好きとして当時から知られていました。
どれくらい好きだったかというと、あまりの好きさに位を与えてしまうほど、好きの度合いが振り切っていました。
今回はそんな一条天皇の猫愛が溢れるエピソードをご紹介します。
猫が子を産んだ時は盛大なお祝い事を…
一条天皇は自身の飼っていた猫が子を産むと、産養い(うぶやしない)を行っていました。産養いとは子どもが生まれた初夜から9日目までの奇数の日数に行う祝い事のことです。
一条天皇はこの祝い事に当時の左大臣と右大臣を呼び、盛大に子猫の誕生を祝いました。
本来は人間の子どもが生まれた時に行う産養いを子猫のために行ったので、この有り様を藤原実資(ふじわらの-さねすけ)は「全く理解できない」と自身の日記『小右記』に記しています。
愛猫の名前は命婦のおとど
そんな世間のことなどお構いないしに一条天皇は子猫を可愛がりました。しかし、天皇のいる内裏には相応の身分の者しか入れないので、一条天皇は子猫に「命婦(みょうぶ)のおとど」と名付けます。
命婦とは従五位下の位を持つ女性のことであり、命婦のおとどというメス猫は一躍貴族の仲間入りを果たすと共に、昇殿を許されたので殿上人にもなりました。
また、一条天皇は命婦のおとどに馬の命婦という名の乳母をつけ、大切に育てました。
しかし、ある時に命婦のおとどのことで一条天皇は馬の命婦に対してお怒りになります。
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