大河ドラマ「いだてん」第2話が放送され、主人公のひとり、金栗四三の誕生から少年期までが描かれました。
前回の振り返りはこちら。
赤い隈取りのような歌舞伎ネタ演出は史実を踏襲!「いだてん」振り返りと次回のポイント
1月6日、今年の大河ドラマ「いだてん」第1話が放送されました。まず東京オリンピック初開催決定のときからさかのぼり、明治末ごろ、日本がオリンピック初出場を果たすまでのエピソードが語られるという展開でした…
それにしても父親が43歳のときの子だから「四三」とは、父親が56歳のときに生まれた山本五十六と同じ命名理由。昔の人の名づけは意外と適当だったらしい……。
さて、今回はのちに四三の妻となる春野スヤが登場しました。医者の娘で、少年のころの四三とも面識があるという設定。女学校に進んだスヤが自転車に乗って歌いながら登場したシーンが印象的でした。
「逢いたかばってん逢われんたい たった一目でよかばってん」
元気よくかわいく歌うスヤ。この歌が頭から離れないという方も多いのではないでしょうか。
熊本自転車節とは
この歌は「熊本自転車節」と呼ばれる歌で、もともとは明治期に東京で大流行した「ハイカラ節」を替え歌にしたものなんです。熊本自転車節の歌詞はこんな感じ。
1番
逢いたかばってん逢われんたい
たった一目でよかばってん
あの山一丁越すとしゃが
彦しゃんのおらす村ばってん
今朝も今朝とて田のくろで
好かん男に口説かれて
ほんに彦しゃんのおらすなら
こぎゃん腹も立つみゃあばってん
千代八千代
どうしたもんじゃろかい2番
チリリンチリリンと出て来るは
自転車乗りの時間借り
曲乗り上手と生意気に
両の手離した洒落男
あっち行っちゃ危ないよ
こっち行っちゃ危ないよ
危ないよと言ってる間に
そらずっこけた
千代八千代
どうしたもんじゃろかい
スヤが歌っていたのは1番の冒頭部分ですね。1番だけ見ると方言はたしかに熊本らしくはあっても、あまり「自転車」らしさがないですね。ですが2番はちゃんと自転車について歌った内容。