語源は「岩」を表す言葉?ガンが「癌」という漢字になった理由

湯本泰隆

厚生省によって公表されている最新の日本人の死亡原因は、男女とも一番を占めるのは悪性新生物、つまり「がん」だそうです。

「がん」は、「悪性腫瘍」ともいわれ、遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団(腫瘍)のなかで周囲の組織に浸潤し、または転移を起こす腫瘍のことをいいます。

平仮名の「がん」と漢字の「癌」は同じ意味ではない?

「がん」を漢字で書くと、「癌」となりますが、厳密にいうと平仮名の「がん」と漢字の「癌」は同じ意味ではありません。

病理学的には漢字で「癌」というと悪性腫瘍のなかでも特に上皮由来の「癌腫」のことを指すのに対して、平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」、白血病などの血液悪性腫瘍も含めた広い意味で悪性腫瘍を表す言葉としてつかわれています。

また、「癌」という漢字が常用漢字ではないため、文字表記において基本的に常用漢字表に従っている役所やメディアでは、「肺ガン」や「胃がん」などと表記されています。

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