天候の変わりやすい夏。にわか雨やゲリラ豪雨で雷が鳴ることも多いですね。そういえば雷が鳴ったときに「くわばら、くわばら」と言いますよね。
今でこそ口にする人は少なくなったと思いますが、自分の祖母やその年代の者が唱えるのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
そもそも、なぜ落雷や災いを避けるために唱える呪いが「くわばら」なのでしょうか。
菅原道真公伝説
太宰府に流され失意のまま亡くなった菅原道真。勉学の神様として祀られる一方、怨霊として都に祟りをもたらした存在としても有名です。ここでは彼の生涯は割愛するとします。
道真は雷神と化し、雷に打たれ死んだ公家もいました(清涼殿落雷事件)。しかし道真公の所領地であった「桑原」には雷が落ちなかったそうです。なので桑原の地名にあやかり「くわばら くわばら」と唱えると雷を回避できるとか。
雷の子が井戸に落ちた伝説
現在の兵庫県三田市桑原というところに欣勝寺という寺があり、そこに伝わっている話です。
雷の子が雨を降らそうとしたところ、欣勝寺の古い井戸の中に誤って落ちてしまいました。そこで和尚が蓋をしてして閉じ込めたところ、雷の子は二度と雷を落とさないからと約束して出してもらいます。それから二度と桑原に雷が落ちなくなったという説。