「べらぼう」身上半減の実際、ていの儒学バトル、鬼平爆誕!など史実を元に10月12日放送の内容解説

地本問屋の株仲間をつくり、行事の改め(同業者の自主検閲)によって再び自由出版を許された蔦重(横浜流星)たち。

しかし蔦重の反骨精神が災いし、山東京伝(古川雄大)の洒落本『仕懸文庫』『娼妓絹籭』『青楼昼之世界錦之裏』を強行出版。絶版処分となったばかりか、お上に立てついたため投獄されてしまいました。

その身を案ずるてい(橋本愛)や鶴屋喜右衛門(風間俊介)の気も知らず、老中・松平定信(井上祐貴)の前ですら戯けてしまう狂気ぶりに、一同呆れるよりありません。

挙げ句の果てに蔦重は、世にも奇妙な身上半減(全財産の半分を没収)……それでも人々の嘲笑さえ商売のネタにしてしまう根性は、さすが江戸一の利者と言ったところでしょうか。

いっぽう松平定信も食い詰め者の凶行に頭を悩ませる中、本多忠籌(矢島健一)から「田沼以下との謗りを免れない」と苦言を呈され、自身の正義に疑念を禁じ得ません。

蔦重と定信それぞれの独善が露呈し、今週も胃が重かった第39回放送「白河の清きに住みかね身上半減」気になるトピックを振り返って参りましょう!

蔦重の元を去った歌麿

愛妻きよ(藤間爽子)の死を受け入れられずにいた喜多川歌麿(染谷将太)に現実を突きつけ、そればかりか「お前は鬼の子だ、生きて命を描き続けるんだ」と言ってしまった蔦重。

大切な歌麿に後を追ってほしくない一心だったのでしょうが、それでも歌麿としてみれば自分と愛妻を引き裂いた以外の何物でもありません。

歌麿は蔦重に心を閉ざしてしまい、つよ(高岡早紀)と共に栃木の豪商・釜屋伊兵衛(益子卓郎)のもとへ旅立ってしまいました。

かつて「何があっても、俺だけは(蔦重の)隣にいるから」と言っていた歌麿が、「もう関わりない」と蔦重を拒絶する姿に、多くの視聴者が胸を痛めたことでしょう。

ここへ来て、蔦重は自身の独善性に気づかされることになったようです。

※ちなみに、つよ(蔦重の母・広瀬津与)は寛政4年(1792年)10月に亡くなります。このまま栃木で亡くなるのでしょうか。

3ページ目 お白洲でも悪びれない蔦重

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