日本列島に広まった猫の謎
猫が好きではなくても、あるいは家で猫を飼っていなくても、周囲で猫を一度も見かけたことがないという人は少ないと思います。それくらい日本の猫は、古来から人々の生活に密着して暮らしてきました。
しかしその起源については、長い間謎に包まれており、はっきりとした解明がされていませんでした。それが、最新の遺伝子情報の解析により少しずつ明らかになってきています。
最新の研究成果によれば、日本の猫の「祖先」が本格的に渡来したのは平安時代のことだそうです。場所は九州で、大きく増え始めたのは鎌倉時代に入ってから。
そしてその後は、日本列島を北上するように広まったというのです。
皆さんもご存じの通り、日本列島には、現在でも多くの猫が生活しています。しかし彼らがどのようにして日本に広まったのかについては長らく謎のままでした。
猫は野生種でもあるため、その謎を解くには、自然界での移動・増殖のメカニズムについても研究する必要があります。この難しい課題が、最新研究によってようやく解かれ始めたのです。