二つの「不平等条約」
幕末期にアメリカとの間で締結された、悪名高い日米和親条約と日米修好通商条約は、日本にとって不利な取り決めでした。関税率はアメリカに有利なように決められ、また治外法権も認められたため日本は自国の国民を守ることができないという内容でした。
このように、日本の主権が制限される内容だったことから、当時交渉にあたった徳川幕府はアメリカの言いなりになった、と長い間言われてきたのはご存知の通りです。
しかし、この「幕府は不平等条約を一方的に押し付けられた」という見方は、最近は変わってきています。当時、幕府の国力はアメリカには及びませんでしたが、それでも交渉を尽くしてアメリカからうまく譲歩を引き出したことが分かってきたのです。
確かに上記の条約は不平等な内容でした。しかし幕府は、当初アメリカから突きつけられた要求を全て黙ってのんだわけではありませんでした。