昔は桜を折ってお持ち帰り?桜の花を求め山野へ、花見よりも古い歴史を持つ「桜狩り」とは?

雲川ゆず

「もみじ狩り」という言葉は秋をイメージさせるものですよね。そんな「もみじ狩り」ほど知られている言葉ではありませんが、「桜狩り」という言葉もあるんです。

現代でも人々が楽しむ「花見」よりも古い歴史を持つ「桜狩り」について紹介します。

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「桜狩り」とは?

普段あまり聞きなれないと思いますが、「桜狩り」という言葉は存在します。「桜狩り」とは、桜の花を愛でるために少々遠出をすること、桜の花を求めて山野を遊び歩くことを意味します。

「狩り」という言葉には、動物など何かの獲物を狙って捕らえること、という意味以外に、「野山で植物を鑑賞したり採集する」という意味があるそうです。桜狩りは、後者の意味ですね。「もみじ狩り」も同じく後者の意味ですね。

「桜狩り」が文献で最初に出てきたのは?

桜と言えばお花見というイメージがあると思いますが、「桜狩り」の歴史は花見よりも古いと言われています。実際に、「桜狩り」という言葉が文献で初めて見られたのは平安時代中期の『うつほ物語』吹上上巻です。

そこには、

「桜狩り濡れてぞ来にし鶯の都にをるは色のうすさに(松方)」

という歌が残っています。

2ページ目 桜の枝を折ってお持ち帰りしていた!?

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