三法師(信長嫡孫。織田秀信)を大義名分に担ぎ上げ、まんまと織田政権の乗っ取りに成功した羽柴秀吉(演:ムロツヨシ)。
信長の遺児・織田信雄(演:浜野謙太)に泣きつかれ、我らが神の君こと徳川家康(演:松本潤)はいよいよ秀吉との対決に乗り出したのでした。
……という訳で、ついに本性を現した秀吉に対して、近ごろにわかに頼もしげなオーラを発し始めた家康。まずは前哨戦で勝利を収め、いよいよ次週が本番(小牧・長久手の戦い)となります。
NHK大河ドラマ「どうする家康」第31回放送「史上最大の決戦」さっそく振り返っていきましょう!
贈られた初花肩衝の行方
賤ヶ岳の合戦に勝利した秀吉への贈り物として登場した初花肩衝(はつはなかたつき)。肩衝とはその名の通り、肩が突き出て角張っている形状を言います。
楢柴肩衝(ならしば)・新田肩衝(にった)と合わせ、天下三肩衝と謳われる名物でした。
本品は中国の南宋から元王朝時代(12~14世紀)の作と推定され、第8代室町将軍・足利義政(あしかが よしまさ)から紆余曲折を経て永禄12年(1569年)頃に織田信長の手に渡ったと言います。
やがて嫡男の織田信忠(のぶただ)に家督相続の祝いとして譲られますが、天正10年(1582年)本能寺の変によって流出。
徳川家臣の松平親宅(まつだいら ちかいえ)が入手したものを、家康に献上されたのでした。
それが秀吉に贈呈され、秀吉が亡くなると五大老の一・宇喜多秀家(うきた ひでいえ)がこれを相続。慶長5年(1600年)の関ヶ原合戦で秀家が敗れると、再び家康の手に戻ります。
後に松平忠直(まつだいら ただなお。家康の孫)へ大坂の陣における恩賞として与えられますが、またも紆余曲折を経て徳川将軍家に献上されたのでした。
現代も公益財団法人徳川記念財団によって大切に保管されている初花肩衝。もらった秀吉は大喜びで見せびらかしていたと言いますから、今後も劇中に登場したら胸が熱いですね!